2014年1月31日金曜日

湯だけで髪を洗う



 髪を洗うのにシャンプーはいらないと聞いた。
 シャンプーを使うと皮脂が落ち過ぎる。界面活性剤や合成界面活性剤などの洗浄成分は濯いでも落ちづらく、頭皮の炎症に結びつきやすい。そこにシリコン入りのリンスを使えば、毛根も詰まる。
 そこまでは、よく美容室で聞かされてきた。
しかし、頭皮の善玉常在菌の話に新味があった。トラブルを起こす悪玉菌を抑制してくれる。シャンプーはそれを殺してしまう。
試してみてもよいと思った。

異常な猛暑と云われたひと夏、なるべく湯だけで頭を洗った。数日で、シャンプーもリンスも不用との感触を得た。
数週間ほど続けたが、感触は変わらない。暑い日が続き、汗を流すために毎日洗った。シャワーを浴びながら、指先の腹で髪と地肌をよく揉む。それだけで頭は終える。リンスもしないので、三四分で終わる。体を洗うのを含め、はやければ七八分で風呂場から出られる。
乾かした後、髪や地肌のにおいの残る気がすることもある。家人に確かめてもらったら、大丈夫だった。

朝から晩まで猛暑が続くような日には、出続けた汗と皮脂が煮詰まったように頭皮にこびりつく。そんな時にはシャンプーを使った。絶対に使わないとは決めていない。ひさしぶりに使うと、シャンプーもいいものだと感じた。

長い髪の女性には難があるかもしれない。整髪料を多めに使う人にも向かないだろう。しかし、ふつうの髪量で、少なめに整髪料を使う男性には向く。続けるうち、皮脂が髪を潤していくので、乾き過ぎることもない。
なにより、疲れている時の洗髪が負担にならない。シャンプーをしリンスをして、という洗い方が、どれほど負担だったかを痛感させられた。

シャンプーを使う時は、家人が見つけてきたオーガニックのリンス入りシャンプーを使う。シリコン、パラペン、合成香料、石油系海面活性剤など不使用で、パルマローザやローズウッド、ラベンダー、レモン、ベルガモット、イランイラン、ハッカ、ゼラニウムなどの天然アロマ成分が配合されている。洗った後、すぐに濯がず、髪に数分なじませておく。リンス効果の現われるその間、顔などを洗って待てばいい。
260ml2500円以上するのは高いようだが、リンス入りシャンプーの中でも絶品で、他の商品を試す気は失せた。一本で二か月もつなら、値段の高さも大げさに考えるほどではないかもしれない。洗髪は一回で済む。リンスもしないでいいので時間の節約になり、疲れない。
人生のすべてと同じこと、時間、金、労力、神経遣いなどのかね合いのうち、なにを選び、なにを選ばぬか、ということになるのだろう。安きに流れて失うものは多い。

もちろん、高級や優雅などという単語に惑わされて失うものも計り知れない。わかり切ったことである。



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